保育士資格を持っていることで働ける場所は何も保育園に限られているわけではありません。
世の中には保育士資格で働くことのできるたくさんの施設があるのです。
その数ある施設を、いくつかに記事に分けて紹介していきたいと思います。
今回はその4回目です。
重度の心身障害がある(肢体不自由と知的障害をあわせ持っている)ことで精神面や行動面で発達の遅れが見られる児童を預かる児童福祉施設です。
障害が重度であるため、食事、排泄、移動などの日常生活のうえでの介助を必要とした児童が多くおり、また突然のてんかんや興奮、失禁などをすることも多々あるため、日常的に看護をおこなう必要が出てきます。
そのため医療や福祉に関する専門家が多く在籍しており、保育士はそのような専門家と一緒に情報を共有しながらの業務をおこなわなければなりません。
重症心身障害児施設での保育士の主な仕事は、児童の心のケアとなります。
また、リハビリや介助、担当児童の症状が軽くなれば食事や排泄のサポートなどもおこなうようになります。
不登校や引きこもり、過食や拒食症などの心理的な問題を持つ児童、またそれら心理的問題を理由に身体的にも問題を抱えた子供(小中学生を中心にした20歳未満)が入所する施設です。
子供たちに生活指導や心理治療などをおこなうことを目的としています。
この施設における保育士の主な仕事は生活指導をおこなうことです。集団で遊ぶことを通じて、集団生活の方法や、他人を思いやる気持ち、また正しい自己主張などのやり方などを指導していきます。
心理カウンセラーや医療関係者も施設に配置されており、そのような専門家たちと連携を取りながら、子供たちが情緒を安定させ社会や環境に適応できるように支援することが大きな目的です。
また子供たちの家族や地域の関連施設と連携をとることも重要になってきます。
窃盗行為、傷害行為、家出や薬物乱用などの不良行為をおこなう、もしくはおこなう恐れのある児童や、普通に生活を送っているだけでは社会に適応できないと思われる児童の自立を支援する施設です。
敷地内に学校と寮があり、子供たちは共同生活を送りながら授業を受けることになります。
だいたいの場合、高校卒業のタイミングで就職しこの施設を離れるため、子供たちの年齢は20歳未満(原則的には18歳まで。状況に応じて20歳まで延長が可能)です。
保育士資格を持っている人であれば、この施設の児童生活支援員になることができます。
主な仕事内容は生活指導です。言動や態度から集団行動の指導、また食事マナーや服装のチェック、健康管理などが業務内容に含まれます。
学習指導や作業指導(草むしりや洗濯などの指導)をおこなうほかの児童生活支援員を支えながら、生活指導や子供たちの心のケアまた就業支援をすることが、
保育士資格を所有している児童生活支援員の大きな役割です。
今回は重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設を紹介しました。
興味のある方は各市区町村へ問い合わせるか、施設に直接問い合わせてみましょう。
そのほかの施設については別の記事で紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。