現代は女性が社会で活躍する機会が増えてきました。
しかし、たとえ女性が働いていたとしても、日本では家事や育児などは主に女性が負担する傾向や意識が根強く、仕事とのバランスをうまくとることができない方もいるようです。
ここでは、世界と比較しながら日本人女性の働き方について考察します。
日本ではまだまだ企業内の重要なポジションには男性がついていることの方が多い一方、ヨーロッパでは国民全体が労働者の権利に関する意識が高く、
社会全体で男女平等化が重視されています。
ベルギーでは高いレベルを要求される重要な仕事に従事する女性が多くいます。
日本では、専門職であれば女性でも重要な業務を任されることがありますが、一般的な会社などでは、未だに重要な業務は男性に任されることが多いのが現状です。
アメリカNPO「カタリスト」は2015年に、世界20ヵ国の主要企業において女性役員が占める割合を公表しました。
調査の結果トップはノルウェーの35.5%で最下位は日本の3.1%だったそうです。
国税庁が発表した民間給与実態調査統計によると、女性の平均収入は男性の約半分だという結果が出ています。
このような結果となる理由のひとつに、女性の多くが非正規の雇用であることが挙げられます。
もともと正社員であった女性でも、出産の後、育児がひと段落した頃に、社内の同じポジョンに復帰することが難しいため、出産を機に会社を退職することが多いです。
また、社会復帰しても、家事・育児と仕事とのバランスをとるため、パートなどの非正規の働き方を選ぶ女性が増えるため、女性の平均収入が下がるのです。
OECD(経済協力開発機構)の2016に公表したデータによると、男女賃金格差が大きい国として日本は2位にランクインしています。
先の項目と関連して、女性の雇用数だけでなく女性の役員への出世の道をサポートする必要がありそうです。
ヨーロッパでは、給与が保証された出産休暇に加え、1年間の育児休暇などの制度が充実しているため、出産を機に仕事を辞める女性は少なく、
仕事と育児を両立する働き方ができる環境が整っています。
またオーストラリアでは、産休後に女性が職場復帰する場合、産休前と同じポジションに復帰する権利が法律によって認められています。
日本にも給与が保証されている出産・育児休暇を認めている会社はありますし、昨今では多数派と言ってよいでしょう。
それでも、出産を機に会社を辞める女性が多く、その原因には日本特有の働き方が挙げられます。
日本では、正社員になると残業を含めて労働時間が長くなる傾向にあります。
このため仕事と家事・育児の両立をすることが難しくなり、会社を辞めるという決断に至るのです。
ドイツでは基本的に残業することはなく、夜遅くまで残業することがあれば評価が下がることもあります。
職場の上司は“休めない部下”を見つけたら仕事量が多いのか、経験や能力が不足しているのかという点から解決策を練るようです。
この合理的な考え方が女性の離職率や管理職の割合に影響すると考えられます。
2014年の女性管理職の割合が、日本は11.1%だったのに対し、ドイツは30.3%と3倍近い差があるのもうなずけます。
世界の女性の働き方を見てみると、女性の社会的な立場をサポートする傾向が強い国とその特徴が分かります。
同じように日本で女性が活躍できるようになるには、女性が活躍する場所だけでなく出産などを踏まえた働き方のサポートが必要だと言えるでしょう。