介護の現場は一般的に女性が多い職場です。
介護職の男性はそういった女性中心の職場の中で働いていく必要があります。
このような環境の中で、男性介護職員が抱く悩みにはどのようなものがあるのでしょうか。
主なものを3つご紹介します。
(1) 職場の人間関係
介護士の現場は、女性が多数派を占めています。
厚生労働省の調査によれば、施設で働く介護職員の73.0%が女性です。
また訪問介護員は88.6%が女性となっています。女性が多い職場は、独特な社会が形成される傾向にあります。
女性は人間関係の裏表を使い分ける傾向が男性よりも強いとされています。
そのため、「特定のグループで集まる」「内緒話がすぐに広まってしまう」「感情的に叱られる」といったトラブルが生じる可能性があるのです。
(2)異性からの介護拒否
男性介護士の中には「介護拒否」を受けたことがある方も少なからずいます。
介護拒否とは、介護が必要な方が介護をされることを拒むことを指しますが、女性高齢者の中には、男性に介護をされることを嫌がる方も多いようです。
このような場面に出会うと、介護職の男性はショックを受けることもありますし、自分の役割を果たせないことに対して悲観的に思ってしまうこともあります。
(3)力仕事
介護職は、利用者の身体を起こしたりベッドに寝かしたりといった力仕事が少なくありません。
職場環境によって多少の違いはありますが、力仕事をする場合、やはり男性の方が頼りにされます。
一方、体力に自信がない男性にとっては、このように力仕事を任されることが悩みにつながっている場合もあるようです。
ここまで介護職の男性の悩みを紹介しましたが、これら3つの要因はそれぞれ「男性介護職の役割」に通ずる部分もあります。
例えば職場では女性間での派閥関係などから一歩離れた立ち位置に居ることで、ギスギスした関係を改善する潤滑油のような役割を果たすなど、
精神的な面で役に立っていることもあります。
また、女性が男性の介護をする際に引き起こされるセクハラなどのリスク回避につながることも。
男性の利用者は男性が、女性の利用者は女性が対応するなど、介護職の男性と女性が互いに協力しあうことで働きやすい職場を作ることができるでしょう。
介護職に占める男性の割合は、やはりまだまだ少数派。
それでも男性の介護職という存在が必要とされるのは、このような理由があるからです。
もし今後、介護職として働くことを考えているのであれば、ここで紹介した3つの悩みを「やりがい」と思えるかどうかを考えてみることをおすすめします。