介護士は年収が安いというイメージがありますが、実際のところどうなっているのでしょうか?
最近では、介護士の労働や給料、待遇など大幅に見直されてきています。
ここでは、介護士の給料事情についてご紹介します。
介護士の年収は平均でおよそ250万円から400万円です。このことから月に16~23万円程度となることが分かります。
当然、年齢や資格、勤続年数といった労働条件によって変動は出てきますが、他の業種と比べて高い給料とは言えません。
特別養護老人ホームや老後保険施設に勤務した場合、初任給はだいたい16万円前後です。
施設などで勤務する場合、夜勤が月に4回ほどあり、日曜や祝日の勤務も発生します。
こういった背景から、“介護士はハードな割に給与が見合ってない仕事”という印象を与えてしまっているのです。
平成21年度から平成23年度まで、介護職員の給料を上げる介護職員処遇改善交付金を支給するという支援が行われていました。
平成24年度以降は護職員処遇改善交付金が廃止される代わりに、「介護職員処遇改善加算」という事業所を支援する制度が実施されています。
これは、介護職員の賃金の補填や労働環境の改善を行って、不足している人材を確保しようという目的で行われています。
改善加算は、9割が交付金で賄われ残りの1割が利用者によって負担されています。
改善加算を受けるには、「処遇改善交付金を受けていたころの給与を下回らない金額で支給しなければならない」という条件があります。
事業所の支援という名目ではありますが、“給与が減らない”という保証があるので安心ですね。
平成27年の4月1日から、新たに改善加算制度に変更がありました。
これまで加算条件は3つに区分けされており、いくつかの要件を満たしていなければ加算を受けることができませんでした。
しかし、新しく区分けが設けられ加算を受けられるケースが増えたのです。
新設された区分の加算を受けた場合、職員1人当たり月に1万5千円程度の給与アップが見込まれます。
事業者が改善加算制度を受けるためには以下に紹介する「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」という条件をクリアしなければいけません。
<キャリアパス要件>
・職場の改善・整備を行い、職員がより良い条件のもとやりがいのある仕事ができること
・職員がキャリアアップをしていくために事業者が支援を行うこと
<定量的要件(職場環境等要件)>
これまでに実施した処遇改善の取り組みが、全職員に周知されていること
例えば以下のようにな取り組みがあてはまります。
・非正規雇用から正規職員への転換
・子育てと両立をするための育児休業制度の充実
など。
政府は介護事業の人材不足を補うために、さまざまな処遇改善を試みています。
新たな施策や、これまでの政策変更などが短いスパンで多く行われているのは、介護職が抱える問題をいち早く改善させたいという思いの表れだと言えるでしょう。
今後も、介護職の処遇改善がどのように行われるかが見逃せません。