女性にとって出産はとても大変です。
妊娠が分かるころには「つわり」が始まり、数か月間は安静に過ごさなければならず、安定期が来るとお腹が出てきて歩くのにも苦労するようになります。
そして臨月になると立ち座りすら辛く感じますし、なるべく運動するように言われるものの散歩するのは大仕事です。
さらに、いよいよ出産の時を迎えると体重約3キロの赤ちゃんや羊水が体から一気に出るという神秘的ではありますが、母体にそれこそ生死をかけるほどの負担がかかってしまいます。
そんな出産ですから、たとえ一流のアスリートであっても産後すぐに走ったり跳んだりできる訳はありません。
また、テレビに出るようなタレントは産後すぐに元の体系に戻すためのダイエットをしていることもありますが、当然それは体に良いことではありません。
出産後はまずは仕事を忘れて、早々に失った体力を回復させることに集中する必要があるのです。
妊娠中の体重増加は、胎児が大きくなることももちろん影響しますが、それ以外に体内に蓄える水分量が増加することも理由として挙げられます。
妊娠中に蓄えられる体内の水分量は妊娠前の30%といわれているので、非常に割合としては高いです。
産後にむくんだ体を動かすのはとても辛いですが、医師から運動するように言われるのは血液の循環を助けて水分の排せつを助けるためです。
むくんでいる状態が続いてしまうと、体力の回復どころか血栓症や子宮収縮のリスクも高めてしまいます。
適度な運動で代謝を高め、栄養分の摂取しやすい体環境を作ることが重要です。
子どもを産んだら今度は授乳をするわけですが、母乳にはたくさんの栄養分が含まれています。
つまり母親が摂取した栄養分の一部は母乳に行ってしまうので、その時期は普段よりも多くの栄養を摂取しなければならないのです。
ただし、ここで注意していただきたいのは、あくまでバランスのとれた栄養摂取をしなければならないということです。
「とにかくたくさん食べておけばいいんだ」と考えて揚げ物ばかり食べていては、もちろん体に良いわけはありません。
この時期にはタンパク質と鉄分が不足しがちといわれているので、これらが不足しないよう、バランス良く食事を摂るようにしましょう。
出産時はホルモンバランスが大きく変化し、自律神経に影響を与えたり体調に悪影響を与えたりします。
それらの症状はおおよそ1~2週間程度で落ち着きますが、その間は規則正しくストレスの少ない生活を送るように心掛けましょう。
この時期は周囲の協力が必要不可欠なので、事前に話し合いなどをしておくことをオススメします。
体力が完全に回復するまでには数カ月間かかってしまうので、じっくりと体力を戻してから社会復帰を考えるようにしたほうが良いでしょう。