定年退職後や子育てを終えた方のなかには、老後の仕事として「介護職」を検討している方も多いのではないでしょうか。
実際に近年は60代~80代のシニア世代の介護職従事者も増えてきています。
とはいえシニア世代となると、介護職へ挑戦することに対する不安も多いかと思います。
ここではシニア世代が介護職として働くことについて考えていきましょう。
60代~80代程度のシニア世代であっても、介護職で問題なく働く事ができます。
介護職を行う上で基本的に法律上の年齢制限はなく、どなたでも介護職に就くことができます。
実際にシニア世代を対象にした介護職求人も増えています。
また、無資格で介護職に就くことが可能です。
ただし無資格の場合は、食事の準備・洗濯・掃除・買い物・話し相手など「生活援助」に該当する範囲の介護までしか行えません。
食事の補助・入浴補助・排泄補助等の本格的な介護となる「身体介護」を行う場合は(訪問介護もこれに該当)、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」以上の資格が必要となります。
とはいえ、介護職員初任者研修の資格も特に年齢制限はないためシニア世代でも問題なく取得できます。
資格さえ取ることができれば、シニア世代でもすべての介護業務が行えます。
コミュニケーションを取って、利用者の方に安心してもらうのも介護職の大事な仕事です。
若い方の場合、年齢的な差によるコミュニケーションの難しさがでてくることもあります。
しかし、シニア世代の場合は、利用者の方と年齢的な差が少ないため、比較的、話しが合うこともメリットとしてあります。
また長年の人生経験から利用者としっかりと向き合うことも可能であり、若い世代にはできないコミュニケーションが実現できます。
再度となりますが、コミュニケーションは介護職で特に重要になってくる要素ですので、介護職はシニア層に向いている職種といえるのです。
ただしシニア世代が介護職で働く上で大きな課題があります。それが体力です。
介護職は常々身体を動かす仕事であり、車椅子への移乗の力仕事や、昼と夜が逆転する深夜勤務を行ったりすることもある、なかなか体力的にハードな仕事です。
慢性的な人手不足が続く業界ですので、時には少ない人数でせわしなく働くこともあるでしょう。
この体力の部分が、シニア世代が介護職をする上での一つの課題となってきます。
2012(平成24)年10月の労働者派遣法改正により、現在は日雇い派遣の短期雇用は禁止されています。
ただし特例として60歳以上の場合は、現在でも日雇い派遣が可能です。
介護の仕事であっても日雇いや短期の求人はありますので、介護職未経験で不安な方や、体力的に不安な方はいきなりフルタイムで働くのではなく、まずはそういった短期求人で慣らしてみるもの一つの方法かもしれません。
体力面は課題になるものの、シニア世代は利用者と年齢が近い分、介護職に向いている世代といえます。
老後の仕事として介護職を検討している方は、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。