保育士の不足が社会問題となりつつある中、徐々に改善への動きが見られてきました。
3月24日には「保育士等処遇改善法案」が国会へ提出。
各自治体の保育士対策も徐々に効果が見られてきたようですのでご紹介します。
現在、保育士資格を持ちながら保育の仕事をしない「潜在保育士」の数が、国内で約70万人を超えている状況です。
給料格差や仕事環境、将来への不安などが潜在保育士の増加を促していると示唆されています。
潜在保育士が増えたことにより東京23区においては、保育士の有効求人倍率が9倍越え。
全国的にも慢性的な保育士不足の状態です。
これにより保育園に入ることのできない待機児童が増え、社会問題となってきているので、これまで以上に改善への対策が期待されています。
こういった保育士不足の状況を受け、2016年3月24日に「保育士等処遇改善法案」が野党5党共同提出の議員立法として国会に提出されました。
この改善法案実施により、全職平均よりも10万円ほど低い保育士の月額給与額(平均21万円)を、国の責任により約5万円アップさせる目標とのこと。
また、去る3月7日の国会では、塩崎恭久厚生労働相が保育士問題に対して必要な施策を急ぐ考えを示しています。
保育士不足への対策は徐々に進んできてはいますが、現状行われている対策は、給与面のサポートや就職へのサポートが中心となっている模様です。
ですが、保育士が不足している原因は、勤務体制の問題・体力的な問題・キャリアの作りにくさなど、その他にもさまざまな要素が影響しています。
これらをトータルで改善していかない限り、「根本的な解決」とまでは至らない恐れもあります。
保育士不足に対しては、各自治体でも現在積極的に対策が進んでおり、徐々に成果が見え始めてきています。
岡山県では2014年6月から、潜在保育士の就職、復職をサポートする保育士・保育所支援センターを開設。
このセンターのサポートにより、開設から2016年2月までに、約96人の保育士を就職に導くことに成功しました。
その他の自治体でも施している対策の成果が徐々に見え始めてきているようです。
このように潜在保育士や保育士不足への対策は徐々に進みつつありますが、まだまだ課題は山積みとなっています。
今後は更に具体的な対策が進むことを期待したいところです。