保育士の仕事は、園児の指導や監督だけではありません。
ときには園児の保護者に対して、お子様のことについて意見を言わなくてはいけないときがあります。
保護者対応も保育士の大切な仕事のひとつなのです。
保護者に伝えるべきことの中には、できれば言いたくないようなことも含まれるでしょう。
今回は、保育士にとっての悩みの種のひとつでもある、保護者対応のポイントについてご紹介します。
子どもが保育園で悪さをしたときなどには、保育士は保護者にその旨を説明して、家庭での指導を求めなければいけません。
・ いきなり問題点を指摘しない
出会い頭に「〇〇ちゃんが今日……」などと園児の問題点を指摘すると、保護者も気分がよくありません。
人間は心理学的にも、マイナスの意見についてはすぐに認めたがらない傾向があります。
まずは世間話のような話題からはじめ、「そういえば」と前置きして、思い出したように話頭を転じてみるといいでしょう。
・ 言葉遣いに気を付ける
保育士は保護者から信頼されていなければいけません。
信頼できない人からわが子の問題点を指摘されても受け入れにくいものです。保護者からの信頼を得るには、まず言葉遣いに気を付けましょう。
若い保育士に多い傾向なのですが、若者言葉はNG。「やばい」「マジで」など、友達と話しているような感覚で話をしてはいけません。
「仕事をしている意識がないのではないか」とあらぬ疑いをかけられることもありますし、「子どもが真似してしまう」と不安に思われてしまいます。
年が近い保護者が相手でも、仕事ということを忘れず、丁寧な言葉遣いをしましょう。
また、男性保育士に多いのですが、子どもを呼び捨てにするのも避けたほうがいいです。
子どもと遊んでいるときなどに、「仲良くなる」ための手段として呼び捨てにするのはいいですが、保護者と話すときには「くん」「ちゃん」づけで呼ぶようにしましょう。
保護者の中には自分の子供を呼び捨てされることに不快感を覚える方がいますので注意してください。
普段から問題が多い園児について保護者と話すことになるのは辛いものです。
何度も何度も問題点を指摘されれば、保護者も気分はよくないですし、新米ママだとしたら、自分の子育てに自信を持てなくなってしまいます。
ですので、保護者と話をするときは、園児のいいところを伝えてあげて、園児を褒めるようにしましょう。
誰でも褒められればうれしいものです。
うれしい感情が大きくなると、ドーパミンという精神を安定させる成分が分泌され、保護者も保育士さんの話を落ち着いて聞いてくれるようになります。
不必要に自信をなくす恐れもないですし、「褒めるだけではなくきちんと問題点も指摘してくれるんだ」と、保育士に対する信頼感も増すことでしょう。
保育士が保護者の対応をするときに、絶対してはいけないことが、「ほかの園児と比べる」ことです。
「普通の子は……」「ほかの子は……」などと言うと、「自分の子はおかしいのかもしれない……」といらぬ不安を与えてしまいます。
それぞれの園児にはそれぞれの魅力がありますので、そのことをきちんと把握して保護者に伝えてあげるようにすれば、円滑に会話をすることができます。
保護者対応でお悩みの保育士さんは、ここで紹介したことを参考にしてくださいね