「アジア健康構想」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
「アジア健康構想」とは、アジアにおける高齢化に対応した健康長寿社会の実現を目指したプロジェクトです。
官民一体となっておこなわれており、現在提携企業にはパナソニックや三菱商事など、有名企業が名を連ねています。
ここでは「アジア健康構想」について詳しく紹介します。
「アジア健康構想」は「日本の政府と民間企業が協力して介護施設を海外につくり、人材育成や介護機器などの幅広い範囲での関連ビジネスを提供する」というプロジェクトです。
急速に進むアジア全体の高齢化に対応するための健康長寿社会の実現を目的としています。
アジア健康構想における主な取り組みは「介護関連技術の輸出」です。
日本の医療は海外でも評価が高く、海外にも需要があると言われています。
特にアジアの国々は高齢化に対応するための専門知識や技術が乏しく、またそのための職業が確立されていないのが実情です。
そのような国々のために介護保険制度によって培われてきた様々なノウハウを海外市場に向けて展開するということです。
前述のとおり、現在アジア地域では急速な高齢化が進んでおり、高齢化社会に対応するための社会保障制度が十分に設けられている国はほとんどありません。
そんななか、日本は社会保障制度が比較的整っていると言えます。
アジアの高齢化に対応するためには、日本のノウハウの輸出が必要なのです。
日本国内では保険財政の制約があり、介護事業者の収益向上が困難とされています。
逆に、介護事業に携わっても利益にならないと考えられる傾向があるため、人材不足が加速も懸念事項です。
そのため、海外に市場を広げ利益を上げることで国内市場へと還元することで、
日本の企業にとっても利益が得られるという点もこのプロジェクトが推進されている要因になっていると言えます。
日本事業者の海外進出をおこなうことで、アジア地域に介護産業を根付かせることがアジア健康構想の主な目標です。
また介護産業という海外にはこれまでになかった産業に携わる人材を増やすことで、最終的に日本の介護人材の充実を図り、日本での収益率を高めるというのが最終的な目標となっています。
海外にノウハウや技術を提供することにより、日本へ還元される収益の増大を計ります。
海外において介護産業を打ち立てることにより、高齢化社会への対応を取ることも今後の方針です。
その後、日本では海外で知識や経験を積んだ外国人人材の受け入れを強化、海外では日本からのスタッフの受け入れの強化をはかり、人材の交流を増やすことによって、
介護産業自体の活性化と業界自体の収益の増大を計る、という計画になっています。
アジア健康構想は、まだまだ始まったばかりのプロジェクトですが、うまくいけば人材不足と収益の低下、収益の低下による低賃金と、
それによる人材の不足という悪循環から抜け出せるかもしれません。
今後もアジア健康構想から目が離せませんね。