今後増えていく高齢者を支え、介護現場の負担軽減のために政府が創設した「介護ロボット等導入支援特別事業」。
介護ロボットとは、いったいどのようなロボットなのでしょうか。
注目されている介護ロボットの現状と今後について紹介します。
介護業界は重労働や長時間労働などで身体的にも精神的にも負担がかかることが多いとされています。
そこで、介護現場の負担軽減を図るために推進されているのが、介護ロボットです。
現在でも様々な種類の介護ロボットが開発されており、主に施設で使用されています。
以下が介護ロボットの種類です。
・介護支援型ロボット
入浴や排せつなどの介護業務を支援してくれるロボット
・自立支援型
リハビリや食事、歩行など、要介護者の自立支援をしてくれるロボット
・コミュニケーション・セキュリティ型
話し相手になってくれたり、見守ってくれたりするロボット
コストの高さから、介護ロボットを導入できる施設は限られてきました。
そこで、厚生労働省が介護ロボットの導入を後押しする補助金「介護ロボット等導入支援特別事業」を創設したことで、注目が集まっています。
この補助金を受けるには3つの要件を満たしたロボットの導入である必要があります。
・ 目的要件
移乗介護、移動支援、排泄支援、見守り、入浴支援のいずれかの場面で使用され、介護従事者の負担を軽減するロボット。
・ 技術的要件
経済産業省が行う「ロボット介護機器開発・導入促進事業」において採択されたロボット。
もしくはロボット技術を活用して、従来の機器ではできなかった優位性を発揮する介護ロボット。
・ 市場的要件
販売価格が公表されており、一般に購入できるロボット。
経済産業省のロボット介護機器開発・導入促進事業は、2020年までに市場規模を約500億円へ拡大すること目指しています。
このことからも、2020年までに介護ロボットの供給数は大幅に増えると予想されます。
介護ロボットを利用したい・利用してほしいと思う人は全体の約6割です。
魅力に感じているという点には「介護をする側の心身の負担が減る」「介護をする人に気を使わなくていい」「介護の受ける方の心身の衰え防止につながる」ということがあがっています。
多くの人が介護ロボットの導入を歓迎していますが、補助金があったとしても高価格であることや安全性への不安から普及が進んでいないという現状です。
しかし、今後、介護ロボットの量産化も進むことで価格は下がっていくでしょう。
介護は、基本的に人間がおこなうものなので、本人の意思を尊重すべきと倫理面での問題も指摘されています。
ただ、導入しやすい価格になれば、人手不足の介護の現場にとっては救世主的な存在になっていくでしょう。