現在の日本は、介護職は女性が多く活躍する場所というイメージがあります。
しかし近年では、男性の介護士が増加傾向にあり、注目されています。
ここでは、介護職に男性が増えてきた理由と、男性が介護士に就くメリット、また年収などについてご紹介します。
介護職員やヘルパーは現在も女性が多いのが特徴ですが、近年男性が増加傾向にあります。
これは介護保険制度が導入されて以降、介護度をもとに入所できる施設が定まるようになったことにより、寝たきりや片麻痺(へんまひ)の状態の利用者が増えたために、
業界全体で男性の腕力が求められるようになったことも1つといえます。
また、「介護福祉士」という介護の職種資格ができ、さらに専門学校が増えたことによって、男性が職を選ぶ際の選択肢に入りやすくなったと考えられます。
男性が介護職に就くことで、最初に得られるメリットと言えば力を必要とする業務がスムーズに行えるようになるという点です。
制度改正により介護施設などを利用する方の状態が重いことが多く、車いすでの生活や寝たきりであることも珍しくありません。
寝たきりである利用者に対し、体位変換やおむつ交換を行うにはかなりの力が必要です。
女性だけでは、複数人の手が必要になるため他の仕事が滞ったり、一時的に人員が減ることがありました。
男性が増えることで、少ない時間や人員で作業できるようになったことはメリットと言えます。
介護職の現場は、まだまだ女性が多いもの。
女性ばかりという職場は人間関係でトラブルが起こりやすい状況にあります。
男性は仕事とプライベートを分けて考えることができるため、女性が多い職に就くことで、人間関係のもつれをとくためのキーマンとして頼られ、やりがいが得られるでしょう。
そしてやはり何よりも重宝されるのが力仕事です。
ベッドから車椅子、車椅子から車など移乗や移動の介助がスムーズにできるため、仕事に就いてすぐ自分の活躍する場があるという点は1つのメリットと言えます。
また、利用者の悩みや病気などによっては、女性でなく男性の介護士だからこそカバーできるデリケートな問題もあります。
これは自分のやりがいにもつながるでしょう。
利用者には男性も女性もいます。当然、介護する側も男性、女性とバランスよく配置できれば理想的です。
福祉・介護職員は未だに他の職種より収入が少ない状態が続いています。
さらに、日本では経験や歳を重ねるにつれて収入が増えていくのが一般的ですが、福祉・介護といった分野においてはその伸び率も小さい傾向にあります。
たとえば、国税庁の民間給与実態統計調査によると、社会人男性の20代の平均年収は318万円で、30代になれば平均468.5万円にまであがります。しかし、介護福祉士の実際の年収を調査をした情報によると介護士は20代の平均年収額は308.5万円で、30代でも平均337万円とあま大きな差が生じません。
このため、独身の時は仕事を続けられていても、結婚したり子どもができたりといった生活の変化が、男性職員の離職へとつながっているとも言われています。
近年、民間企業による介護や福祉事業が増えてきており、その経営者には男性も大勢います。
キャリアアップを着実にこなし、介護職に就きながら、家族を養っていけるキャリアプランを立てることも1つです。
介護は、男性の活躍が大いに期待できる職種だと言えるでしょう。
高齢者は2050年あたりまで、増え続けるため今後ますます需要が高まっていきます。
この需要の高まりによって収入面といった待遇も改善されていくことが期待できます。
「人と触れ合って、役に立ちたい」と考えている方は、このやりがいと将来性に期待できる介護職を検討してみてはいかがでしょうか。