高齢化が進み、要支援、要介護者の数が増えています。
介護施設に入居してもらうという手もありますが、仕事と両立しながら家族の介護をしているという人も多いでしょう。
しかし介護は非常に重労働です。
精神的にもかなり疲れてしまうと思います。事実、仕事との両立ができなくなり、結局離職してしまう人がかなり多くいるようです。
ここでは介護を理由に仕事をやめてしまう原因と対策についてご紹介します。
2013年に総務省が発表したデータによると、2011年10月から2012年9月の間に介護のために離職したと言う人が10万人に上ったとされています。
そのうちの80パーセントが女性であることが分かっており、夫婦間で平均的に収入の低い女性のほうが介護の役割を担うことが多いようです。
両親が要介護状態になるという人は、だいたいが働き盛りの年代です。
その時期に仕事を辞めなければならないのは非常に苦しい決断になるでしょう。
特に40代、50代あたりから介護をしながら働く人が増える傾向にあります。
40代・50代は会社の中でも課長や部長などの役職であることが多く、中にはどうしても仕事を辞められないとして、無理やりにでも介護と仕事の両立をしている人もあるようです。
また、そのくらいの年代になると、離職してしまった後の再就職が難しくなります。
そのことも介護と仕事を両立する選択をする道につながっているようです。
しかし介護の仕事は肉体的にも精神的にも厳しいものです。
無理をすると介護している本人が体を壊してしまう危険があります。
体を壊してしまえば働くことも難しくなり、結局離職してしまうということになりかねません。
なんとか離職せずとも介護を続けられる方法を見つけ出す事が必要と言えます。
介護を理由に離職するのは介護をする本人だけではなく、企業にとっても不利益になります。
離職をする人が増加すれば人材の流出として企業経営に悪影響を及ぼすことがあるからです。
そのため企業が人材流出を阻止するために、介護と仕事の両立ができる体制を整え始めています。
そんな中、国が「育児・介護休業法」を制定しました。要介護状態の家族を介護する労働者は、雇用主に申請をおこなうことで対象家族1人につき最大で93日間の介護休業が取得できるというものです。
また、通院や買い物など、日々の行動に付き添うような介護のために、年間で5日までの介護休暇を取得することもできます。
この制度を利用することで、介護者も離職することなく介護に集中できますし、企業側も大事な人材を失わなくて済むようになります。
それほどたくさんの日数が取得できるわけではありませんが、デイケアサービスなどを併用することで、介護と仕事の両立がしやすくなります。
情報収集に努めてみましょう。
介護を必要とする人の数はこれからも増えていくものと思われます。
自分が介護をしなければならなくなったときは、「離職か両立か」という両極端の選択をするのではなく、利用できる制度やサービスがないか、まず調べてみるようにしましょう。